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Moon (月)


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(つき、Moon)とは、地球を回る天体で、(地球から見て)太陽に次いで明るいそれのことである。
古くは太陽に対して太陰とも、また日輪(=太陽)に対して月輪(がちりん)とも言った。

概要
太陽系の中で地球に最も近い自然の天体であり、人類が到達したことのある唯一の地球外天体でもある。
地球から見える天体の中では太陽の次に明るく、白色に光って見えるが、これは自ら発光しているのではなく、太陽光を反射したものである。
英語では Moon(ムーン)、ラテン語では Luna(ルーナ)、サンスクリット語では चंद्र(チャンドラ) と呼ばれる。
古くは太陽に対して太陰ともいった。漢字の「月」は三日月の形状から生まれた象形文字が変化したものである。日本語では「ツキ」というが、奈良時代以前は「ツク」という語形だったと推定されている。
月は天球上の白道と呼ばれる通り道をほぼ4週間の周期で運行する。白道は19年周期で揺らいでいるが、黄道帯とよばれる黄道周辺8度の範囲に収まる。月はほぼ2週間ごとに黄道を横切る。

恒星が月に隠される現象を掩蔽、あるいは星食という。惑星や小惑星が隠されることもある。一等星や惑星の掩蔽はめったに起こらない。天球上での月の移動速度は毎時0.5度(月の視直径)程度であるから、掩蔽の継続時間は長くても1時間程度である。

物理的特徴
月の性質

直径は地球の約0.2724倍 (1/3.7)。これは地球サイズの惑星をめぐる衛星としては非常に大きいものである。
惑星に対する衛星の比率としては太陽系で最も大きい。かつては冥王星とその衛星カロンに次いで2番目だったが、冥王星が準惑星に分類変更されたことで、地球が1番となった。
また月の直径 (3,474km) は、木星の衛星ガニメデ (5,262km)、土星の衛星タイタン (5,150km)、木星の衛星カリスト(4,806km)、イオ (3,642km) に次ぎ、衛星としては太陽系で5番目に大きく、太陽系の衛星の中でも巨大衛星として扱われている。従来、地球に対する月は、衛星としては不釣合いに大きく、二重惑星と見なす意見もあった。
月の直径は地球の4分の1強であり、質量でも81分の1に及ぶためである。後者を見れば小さいように思えるが、地球-月の体系に次ぐものは海王星に対するトリトンの800分の1であり、他の惑星の衛星の場合ははるかに小さ
いことから、地球-月系の特異さがわかる。月と太陽の見た目の大きさ(視直径)はほぼ等しく、約0.5度である。
このため、他の惑星とは異なり、太陽が完全に月に覆い隠される皆既日食や、太陽のふちがわずかに隠されずに環状に残る金環日食が起こる。

月の形状はほぼ球形だが、厳密にはわずかに西洋梨形をしている。月面の最高点は平均高度より+10.75km、最低点は-9.06kmで、共に裏側にある。質量はおよそ地球の0.0123倍 (1/81)。
表面積(3793万km2)は地球の表面積の7.4%に相当し、アフリカ大陸とオーストラリア大陸を合わせた面積よりもわずかに小さい。また、日本の国土面積の約100倍である。
地球中心から月の中心までの平均距離は、38万4,403km。

月は、太陽系の惑星やほとんどの衛星と同じく、天の北極から見て反時計周りの方向に公転している。
軌道は円に近い楕円形。軌道半径は38万4,400kmで、地球の赤道半径の約60.27倍である。

月の自転周期は27.32日で、地球の周りを回る公転周期と完全に同期している。つまり地球上から月の裏側を直接観測することは永久にできない。これはそれほど珍しい現象ではなく、火星の2衛星、木星のガリレオ衛星であるイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト、土星の最大の衛星タイタンなどにもみられる。ただし、一致してはいても月の自転軸が傾いていることと軌道離心率が0でないことから、地球から見た月は秤動と呼ばれるゆっくりとした振動運動を行なっており、月面の59%が地上から観測可能である。

月内部の構造はアポロ計画の際に設置された月震計で明らかになった。
中心から700 - 800kmの部分は液体の性質を帯びており、液体と固体の境界付近などでマグニチュード1 - 2程度の深発月震が多発している。表面から60kmの部分が地球の地殻に相当し、長石の比率が高い。
いわゆる地球型惑星と同様に岩石と金属からなり、深さによって成分が異なる(分化した)天体である。

月はナトリウムやカリウムなどからなる大気を持つが、地球の大気に比べると1017分の1(10京分の1)ほどの希薄さであり、表面は実質的に真空であると言える。そのため、気象現象が発生しない。
月面着陸以前の望遠鏡の観測からも月には大気が無いと推定されていたが、1980年代にNASAによって実際は希薄ながらも大気が存在することが確認された。

水の存在もつい最近まで確認されていなかったが、2009年11月にNASAによって南極に相当量の水が含まれることが確認された。ただし水は極地に氷の形で存在するのみで、熱水(鉱化溶液)による元素の集積は起きないとされており、鉱脈は存在しないと推定されている。
また現在は地質学的にも死んでおり、マントル対流も存在しないが、少なくとも25億年前までは火山活動があったことが確認されている。チタンなどの含有量は非常に多い。
地球のような液体の金属核は存在しないと考えられており、磁場は地球の約1/10,000ときわめて微弱である。
浅発月震と呼ばれる地下300km前後を震源とする地震は、マグニチュード3 - 4にもなるが、発生原因の特定はできていない。

Moon (月) : Picture

Moon Moon
Moon
(C) NASA
Moon
(C) NASA

Lunar Farside
Lunar Farside
(C) NASA / GSFC / Arizona State Univ. / Lunar Reconnaissance Orbiter
Tidally locked in synchronous rotation, the Moon always presents its familiar nearside to denizens of planet Earth. From lunar orbit, the Moon's farside can become familiar, though. In fact this sharp picture, a mosaic from the Lunar Reconnaissance Orbiter's wide angle camera, is centered on the lunar farside. Part of a global mosaic of over 15,000 images acquired between November 2009 and February 2011, the highest resolution version shows features at a scale of 100 meters per pixel. Surprisingly, the rough and battered surface of the farside looks very different from the nearside covered with smooth dark lunar maria. The likely explanation is that the farside crust is thicker, making it harder for molten material from the interior to flow to the surface and form the smooth maria.

Moon Moon Moon
Moon
(C) NASA
Moon
(C) NASA
Moon
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Moon Moon 月から見た地球
Moon
(C) NASA
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月から見た地球
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Moon
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(C) NASA
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月のクレーター 月のクレーター
月のクレーター
(C) NASA
月のクレーター
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月のクレーター 月の裏側のクレーター
月のクレーター
(C) NASA
月の裏側のクレーター
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月から見た火星 地球と月の大きさ比較
月から見た火星
(C) NASA
地球と月の大きさ比較
(C) NASA

ハイビジョンカメラがとらえた月面
(C) JAXA/NHK
ハイビジョンカメラがとらえた月面

満地球の出の様子
(C) JAXA/NHK
ハイビジョンカメラがとらえた月面 満地球の出の様子
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Moon (月) : Movie

ScienceCasts: Super Moon NASA | Moon Phase and Libration
月面探査の跡
1972年に月面着陸したのアポロ17号の探査場所を撮影した画像をNASAが公開。

冷戦時代の無人探査と有人探査
冷戦の影響下で、有人探査にむけてアメリカ合衆国とソビエト連邦の間で熾烈な競争(宇宙開発競争、スペース・レース)が行われた。当初宇宙開発競争はソ連が先行しており、人類初の有人宇宙飛行は1961年4月12日、ソ連のボストーク1号に乗るユーリ・ガガーリンにより行われ、初めて地球周回軌道に入った。これに対抗してアメリカも宇宙開発を進めており、有人宇宙飛行計画としてマーキュリー計画が進められていた。

月に接近した最初の人工物体は、ソビエト連邦のルナ計画によって打ち上げられた無人探査機ルナ1号で、1959年1月に月近傍5,995 kmを通過した。ソビエト連邦は引き続き無人探査機ルナ2号で月面到達に成功した。ルナ2号は1959年9月13日に月面へ着陸・衝突している。月の裏側を初めて観測したのは1959年10月7日に裏側の写真を撮影したルナ3号。初めて軟着陸に成功したのはルナ9号で、1966年2月3日に着陸し月面からの写真を送信してきた。1966年3月31日に打ち上げられたルナ10号は初めて月の周回軌道に乗った。

しかし、人間を月に送ることに成功したのはアメリカである。アメリカは1959年3月3日に打ち上げられたパイオニア4号で初めて月の無人探査に成功し、1961年5月25日に行なわれた「アメリカは10年以内にアメリカ人を月に送り、無事地球に帰還させることを約束すべきだと信じます。」というケネディ大統領の声明もあって、ジェミニ計画を経てアポロ計画が行われることとなった。レインジャー計画(衝突)、サーベイヤー計画(軟着陸)、ルナ・オービター計画(周回)などにより有人機の着陸に適した場所が選ばれ、1969年7月20日、アポロ11号が静かの海に着陸しニール・アームストロング船長が人類で初めて月面に降り立った。このアポロ計画は1972年のアポロ17号まで続けられた。なお、アポロ13号は事故(液化酸素タンクの爆発)により、月面に着陸せずに、月の軌道を周回して不要になったロケットパーツを月に落下させて人工地震を起こさせただけで、地球に帰還した(帰還のミッションは非常に困難なものであった)。

しかしこのような探査には高度な技術と莫大な費用が必要であり、アメリカではアポロ20号まで予定されていたが予算の削減で17号で終わった。ソ連は1970年から1974年にかけて、ルナ16号、20号、24号で月の土壌を採取し地球へ持ち帰ることに成功、ルナ17号、21号で無人月面車を送り込んだが、有人月面探査計画であるソユーズL3計画は1974年6月23日、正式に中止が決定した。

俗説として月面着陸は捏造であった、あるいは宇宙飛行士は月面で宇宙人に遭遇していたとする、アポロ計画陰謀論も存在するが、捏造の証拠とされるものはことごとく反証されており、また日本の月探査衛星が月面に残るロケット噴射跡を確認したため、少なくとも月に到着したことは事実と確認されている。

アポロ計画終了以後
アポロ計画終了以後人類は月面を歩いていないが、各国による無人探査が行われている。2004年2月、アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュは2020年までに再び月に人類を送り込む計画を発表し、NASAによりコンステレーション計画が発表されたが、後に予算の圧迫などを理由に中止されている。その他には、欧州宇宙機関 (ESA)、中国国家航天局 (CNSA)、日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、インド宇宙研究機関 (ISRO) でも月探査計画がある。中国は月面探査に積極的な姿勢をとっており、特に月面でヘリウムの同位体であるヘリウム3の発掘を行い地球でエネルギー資源として用いることを狙っていると言われる。

日本ではLUNAR-AとSELENE(かぐや)の2つの計画があり、月探査計画LUNAR-Aではペネトレータと呼ばれる槍状の探査機器を月面に打ち込み、月の内部構造を探る計画だったが、2007年に計画中止が決まった。月探査周回衛星計画SELENEは月の起源と進化の解明のためのデータを取得することと、将来の月探査に向けての技術の取得を目的としている。2007年9月14日に打ち上げられ、2009年6月11日まで月を周回してデータを集めた。

なお2006年には、それまで解析されずに放置されていたアポロ観測データが発掘された。この観測データの解析の結果、従来の知見を覆すような結果が得られ始めている。このアポロ観測データと日本のかぐやなど、世界の月周回探査衛星による観測データを合わせた解析によって、より月の起源について理解が深まることが期待される。

また、より長期の計画として月面基地建設の構想もある。NASAは2006年12月、上記のコンステレーション計画の一つとして2020年までに月面基地の建設を開始し、2024年頃には長期滞在を可能とする計画を発表したが、こちらも中止されている。またロシア連邦宇宙局は2007年8月、2025年までの有人月面着陸と、2028年 - 2032年の月面基地建設を柱とした長期計画を発表した。JAXAの長期計画にも有人の月面基地が含まれる。

日本の月探査機 LUNAR-A アポロ11号の打ち上げ
日本の月探査機 LUNAR-A
(C) NASA
アポロ11号の打ち上げ
(C) NASA
月面での宇宙飛行士 月面の足跡
月面での宇宙飛行士の様子
(C) NASA
月面の足跡
(C) NASA
月面を歩行中の宇宙飛行士 月面車
月面を歩行中の宇宙飛行士
(C) NASA
月面車
(C) NASA
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月の起源
月がどの様につくられ、地球を巡る様になったかについて古くから3つの説が唱えられてきた。

親子説(分裂説・出産説・娘説)
自転による遠心力で、地球の一部が飛び出して月になったとする説。

兄弟説(双子集積説・共成長説)
月と地球は同じガスの塊から、同時に作られたとする説。

他人説(捕獲説・配偶者説)
別の場所で形成された月と地球が偶然接近した際、月が地球の引力に捉えられたとする説。

だが、いずれの説も現在の月の力学的・物質的な特徴を矛盾なく説明することができなかった。まず、親子説では地球-月系の現在の全角運動量を原始の地球だけが持っていたとは考えにくかったし、他人説では広い宇宙空間を行く月が地球から丁度良い距離に接近して引力に捉えられる可能性が低かった。アポロ計画により採取された月の石の分析結果から地球のマントルと月の石の化学組成や酸素同位体比が似ている事が判明したが、兄弟説や他人説ではそうなる理由を説明できなかった。一方で、月の石の放射性炭素年代測定により、月は約45億5000万年前に誕生し、また35億年前までは小天体の衝突が多発していたことが判明した。それらを踏まえ、有力とされるようになったのが巨大衝突説である。

巨大衝突説(ジャイアント・インパクト説)
月は地球と他の天体との衝突によって飛散した物質が地球周回軌道上で集積してできたとする説。地球がほぼ現在の大きさになった頃、火星程の大きさの天体 (テイア) が斜めに地球へ衝突し、その衝撃で蒸発・飛散した両天体のマントル物質の一部が地球周回軌道上で集積して月が形成されたとする。最近の研究では、衝突から1ヶ月程度で現在の月が形成されたと考えられている。

この説を用いると、月の比重 (3.34) が地球の大陸地殻を構成する花崗岩(比重1.7 - 2.8)よりも大きく、海洋地殻を構成する玄武岩(比重2.9 - 3.2)に近いこと、地球と比べて揮発性元素が欠乏していること、地球やテイアのマントルを中心とする軽い物質が集積した月のコアが小さいこと、月の石の酸素同位体比が地球とほとんど同一であること、月の質量が現在程度になること、月と地球の全角運動量が現在程度でも不思議はないことなどについて矛盾なく説明することができる。

巨大衝突 (ジャイアント・インパクト)
巨大衝突 (ジャイアント・インパクト) CG
(C) NASA
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「ウィキペディア(wikipedia):フリー百科事典」より文章引用。

月. (2011, July 23). In Wikipedia.

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